ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

音楽

真夜中すぎの悔い

息子の高校受験の勉強にしばらく付き合ったせいだろうか、何となく自分の半生を思い返し、ある種の感慨を覚えている それは正に、青春真っただ中にある若者を目の当たりにしての眩しさや羨望の想いだ そして俺自身にもあった筈のそんな輝かしい時間を、無自…

演歌について

今回は「演歌」というジャンルの音楽について、ちょっと思ったことを書いてみよう その前に、演歌とは何ぞや、という定義が必要かもしれないが、そこには触れない(難しいから) 各自の「演歌観」を漠然と思い浮かべて貰えば事足りるだろうと思う さて、演歌…

デヴィッド・ボウイ最後の来日コンサート

今から15年前の2004年3月に行われたデヴィッド・ボウイ「ア・リアリティ・ツアー」の日本公演が、結果的にボウイ最後の来日となってしまった 俺はその9日の日本武道館ライヴを観に行っている そう、ちょうど15年前の今日である 実は初めての生ボウイであった…

ニワカの恥ずかしさを超えて 映画『ボヘミアン・ラプソディ』を観る

遅ればせながら、映画『ボヘミアン・ラプソディー』を観てきた 昨年末に随分と話題だという事で、特にクイーンのファンという訳ではないけれども、観てみようかな、なんて思っていたのがようやく 一応説明しておくと、1973年にデビューしたイギリスの人気ロ…

日本語表記の不安定さを味わう

外国語の日本語表記は難しい というより、本来そもそも不可能である だから、その表記が定着するまで何年も要する訳だが、その不安定さは何故だか俺の野次馬根性を微妙に刺激する 代表的な例としては、何と言ってもドイツの文豪ゲーテ*1だろう 今でこそ「ゲ…

追悼 ミシェル・ルグラン

1月26日、フランスの作曲家ミシェル・ルグランが亡くなった 享年86 ミシェル・ルグランといえば、日本では『シェルブールの雨傘』*1や『ロシュフォールの恋人たち』*2などの映画の音楽で有名だろう(いや本国その他でどうなのかは知らないが) またピアニス…

田舎の中古ショップでテリー・キャリアーを購入する Terry Callier

俺が暮らしているところは、結構な田舎である それでも県庁所在地なので、まあどうにかなっているのだが… しかし、仕事で週に2回ほど行かなければならないその町は、一応「市」とはなっているものの、この後進県の中でも更に後進的な地域だ そこでの仕事帰り…

新年早々のお買い物

新春ブックオフでのお買い物 なにもブックオフの宣伝みたいな事をしなくてもよさそうなものではあるが、今となっては俺の数少ない楽しみのひとつになっているので、ご勘弁願おう(タイトルからは外したよ) 新春早々、初売りでつい調子こいてしまった(一度…

ジョー・ジャクソンは最高にカッコいい Joe Jackson

先日、ネットであれこれニュースだのブログだのを見たり読んだりしていたとき、こんな文章に出くわした ある種の輝きを有しながらもそれを普遍化する能力が幾分不足したジョー・ジャクソン 村上春樹『ダンス・ダンス・ダンス』(下巻)1988年より 一体全体、…

ふたつの ”Juju” が出会うとき

先日ブックオフで、ウェイン・ショーターの『Juju』*1を500円にて購入 ずっと欲しかったアルバムだ ずっと欲しかったんなら、レアなもんでもあるまいしAmazonででもとっとと買えばよかっただろ、なんていう意見もあるかもしれないが 違うのよ、ブックオフな…

缶詰の中の世界

缶詰というものは、何か俺に強く訴えかけてくる形式の食べ物だ いや、実はあんまり食べることはないけど それでもよく口にする機会が多いのは、ツナとか赤貝とか焼き鳥とかサンマの蒲焼あたりの、ポピュラーどころかな たまには貰いものでカニなんてのも 最…

UFO時代のときめき飛行 アメリカン・ヒーローを巡って

有線でジョーイ・スキャベリーの「Believe it or not」が流れた この歌は、アメリカのテレビドラマ、邦題『UFO時代のときめき飛行 アメリカン・ヒーロー』の主題歌である いつもここでは、何故か80年代ヒット曲を流しているのに、何でまた急に70年代の曲が… …

ガラパゴス問題から未来の日本へ

今回はケレン味たっぷりのタイトルでありますが… さて韓流アイドルの人気は根強いようで 最悪の日韓関係をよそに、韓流アイドルに夢中になる若者が後を絶たないらしい ホントかな、本当らしい 小6の娘に聞いてみると、確かに同級生の間ではTwiceだのBTSだの…

もやもやなるままにひぐらし

ここ最近はいろいろ盛り沢山で、心がモヤモヤしている 会社のこと、将来のこと、子どもの受験のこと… 今日は、家から車で1時間半ほど離れた店舗での勤務だ ここでは基本ワンオペでOK、というくらいに忙しくないので、いつも本を3冊くらいは持ってくる 持って…

クリスマスまであと少し、なのか

まだ12月にもなっていないのに、世間ではクリスマス色が強くなってきている ショッピングモールなどでは、ハロウィンが終わるとすぐにクリスマスの曲が流れだす 年々早くなってる気がするんだけど、思い違いだろうか 商売としては、クリスマス商戦に向けて消…

日本のロックやポップスについて思うことなど

洋楽が好きで、邦楽はあまり聴くことがない 日本の音楽が好きではないということではなく、欧米のものの方が優先されてしまうということだ 日本のロックやポップスは、欧米の音楽を手本にしてきた歴史があり、どうしてもそちらが気に掛かるから、というのが…

ここ最近の買い物 ブックオフ巡りの成果

何度も書いてることだが、俺の休日はブックオフ巡りと決まっている 基本的には、本で100~200円、CDは500円を上限と決めている そして車で聴く音楽ばかりか読む本でも、「最近ブックオフで買ったもの」に左右されてしまう 現在読んでいる円地文子『源氏物語…

ギル・スコット・ヘロンとミクロ決死隊 Gil Scott-Heron

ほぼ日課となっているのは、Amazonで本やCDのチェック(とはいえ、滅多に買うことはない) その時、ジャケットに惹かれ、試聴したらエラくカッコ良かったので、地元のタワレコで新品で買ってきたのがこれ Gil Scott-Heronの『Pieces of a Man』(1971年)だ …

黄金のリレー ハロウィンからクリスマスへ

ようやく終わった、ハロウィン プレゼントのイベントじゃないから、俺の仕事には全く関係ないが 仮装にしたって、俺の住んでる田舎じゃ小さな子供くらいしかしていないから、渋谷の騒ぎは一体何なのか意味不明だ いい歳して、あいつら何をしてるんだ、と毎年…

高橋幸宏ソロデビュー40周年記念に寄せて

今年でソロデビュー40周年を迎えた高橋幸宏、家では高橋先生と呼んでいる 俺は敬愛するミュージシャンは基本全て家では「先生」付けだ(家の中だけよ) 細野先生、坂本先生、デヴィッド・ボウイ先生、ルー・リード先生、スコット・ウォーカー先生、イアン・…

マーク・ボランの誕生日に因んで Marc Bolan

昨日9月30日は、1977年に交通事故で死んだマーク・ボラン(=T.REX)の誕生日だったそうだ(享年29) ついさっき知った 命日が9月16日だというのも、同様にさっき知ったことだ 以前から「僕は30歳まで生きられないだろう」と言っていて、実際に30歳の誕生日の…

ジェフ、ビックリィしたよぉ Jeff Buckley

ジェフ・バックリー『Grace』(1994年)を先月初めて聴いた 1994年にデビューして、その3年後の’97年に不慮の事故で死んでしまったジェフ・バックリーの、生前に発売された唯一のアルバムだ 物凄く良かった 死んで20年にもなり評価もあらかた決まったという…

ギター・コレクション一挙公開

今回はわたくしのギター・コレクションを紹介してみよう 興味のない方には「ふ〜ん」で終わってしまうのは承知の上だが、まあそう言わずお付き合い願えませんか… 1:ジャズマスター(フェンダー・ジャパン) 19歳の時の1984年に購入、当時7万円 それ以来ず…

かわぐつとじどうしゃ ドレミファブックの思い出

世界文化社から出ていた『ドレミファブック』という、レコード付き絵本をご存知だろうか 調べたところによると昭和44年出版のようだ(当時俺は四歳だったということになる) 全21巻、レコードA面に童謡、B面に童話を収録 俺はこの『ドレミファブック』によ…

ナイアガラへの旅

最近は大瀧詠一を繰り返し聴いていた とは言っても『Best Always』というベスト盤なので、大瀧塾の門前でウロウロしている状態に過ぎないが ミリオンを記録した大ヒットアルバム『ア・ロング・ヴァケーション』の曲は何となく大体知っていたけどそれきりだっ…

バブルだけではない1980年代の貴重な証言

香山リカ2008年刊行の『ポケットは80年代がいっぱい』をようやく入手した 現在絶版だからレア本だって訳じゃないだろうけども、なかなか安く出ていなかった ご存知、香山リカは精神科医で、沢山の著作があり、またテレビのコメンテイターとしても活躍してい…

反時代的妄言(謙虚に)

東京都独自の受動喫煙防止条例案が可決・成立した 国の規制よりも厳しい内容だそうだが、タバコを吸わず、東京在住でもない俺にしてみれば、さしあたりどうでもいい事だ タバコを嫌う人は、煙がぽわ〜んと臭ってくるのも嫌だろうから、どんなに規制を厳しく…

坂本龍一と Miles Davis "Quiet Nights"

マイルス・デイヴィスがギル・エヴァンスと共作した Quiet Nights (1962) が500円だったので購入した 有名なジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスなんて人がいるので紛らわしいが、ギルの方も同じくピアニストで、また兼アレンジャーである(実はなんと、ビ…

Technopolis “Tokio” 変遷史

東京=Tokyo=Tokioを、一般に認知させたのは、沢田研二かYMOであるという事に、恐らく誰も異論はないだろう(アイドル・グループTOKIOよりずっと前の話) YMOは坂本龍一作「Technopolis」を「ト・キ・オ」と、ヴォコーダーという機械によるロボット・ヴォイ…

スウィート・メロディ 親しみやすい旋律

俗に言う「甘い」あるいは「親しみやすい」メロディーというものに、長らく偏見と抵抗があった いいなと感じても、一方では「やりすぎじゃないか(甘すぎじゃないか)」と、昔は考えていた メロディーが「甘い」「親しみやすい」と感じるのは、要するに、そ…