昨日9月30日は、1977年に交通事故で死んだマーク・ボラン(=T.REX)の誕生日だったそうだ(享年29)
ついさっき知った
命日が9月16日だというのも、同様にさっき知ったことだ
以前から「僕は30歳まで生きられないだろう」と言っていて、実際に30歳の誕生日の2週間前に死んでしまったというのはファンの間でよく知られていることだが、それが9月16日だったのか…
今後9月16日は、マーク・ボランの命日と安室ちゃん引退の日として記憶しておこう
T.REX、一番最初はバウハウスの「Telegram Sam」*1のカヴァー*2で聴いて、そりゃもう痺れたんだけど、その後「Get it on」*3をラジオで聴き、バウハウスと全然違うのにも驚いた
それは80年代の最初の頃のことだが、当時T.REXみたいな音楽は耳にすることがなかったから、とても新鮮で、とりわけ声に妖しい魅力を感じた
同じグラムロックとはいえ、ボウイとはまた違う、何というかインチキ臭さっていうか(あ、もちろんいい意味ね、だって俺ファンだからさ)、そんなのが伝わってきた
ちょうど俺が高校3年生の時にT.REXの全アルバムの日本盤が再発となり、より身近な存在にもなって、一番最初に買ったアルバムは1970年の『T.REX』
最初のティラノサウルス・レックス*4からT.REXに改名しての1枚目
ドラムスではなくパーカッションという編成が面白いと思ったし、それは今聴いても結構変だ
いちばん好きな曲は何と言っても2曲目の「Jewel」
他には「Diamond Meadows」「Beltane Walk」「Summer Deep」「Seagull Woman」 なんかかな
いや全曲いいんだよ、結局ね
電気じかけみたいな声で、バカっぽく賑やかなんだけど、なんだか物悲しいのは、コード進行やトニー・ヴィスコンティのストリングス・アレンジだけじゃなくて、ロック評論家の大鷹俊一の言葉を借りて言えば、「物語の結末」を知ってしまっているからなのか
ロックを聴いて、こんなにも胸が押しつぶされそうな気持ちになったのは、この時が最初で、ひょっとしたら最後になるかもしれない
1973年頃までのグラムロック・ブームが去った後は、さすがのT.REXも人気が落ちてきたようだが、1976年に起こったパンク・ブームの追い風もあって、再び脚光を浴び始めていたとのこと
そして死の年の1977年、自身のTV番組『Marc』がスタート、ゲストには盟友デヴィッド・ボウイも出演している
マーク・ボランの死後、遺産は妻に相続されたが、内縁の妻であったグロリア・ジョーンズという黒人歌手*5には当然ながら一切相続はされなかった
ボランが死んだ交通事故ではグロリアも大怪我を負い、声帯を痛め、歌手活動ができなくなり、ふたりの間には子供がいたにもかかわらず、生計を立てていく術を失ってしまった
すると旧友デヴィッド・ボウイがふたりのために生活費や子供の学費まで全て支払い続けたという
いい話だし、何だかマーク・ボランのために嬉しくなる
T.REXのアルバムは1972年の『Slider』までしか持っていなくて、それ以降はベスト盤で断片的に知っているにすぎない
何だかマーク・ボランに申し訳ない気がしてきた
(敬称略)