遅ればせながら、映画『ボヘミアン・ラプソディー』を観てきた
昨年末に随分と話題だという事で、特にクイーンのファンという訳ではないけれども、観てみようかな、なんて思っていたのがようやく
一応説明しておくと、1973年にデビューしたイギリスの人気ロックバンド、クイーンのヴォーカリスト、また同性愛者であり、若くしてエイズで亡くなったフレディ・マーキュリーが主人公の、音楽たっぷり映画
バンドメンバーとのギクシャクもあって、孤独感を抱えながら、仕事とドンチャン騒ぎに明け暮れるフレディ・マーキュリーを、元カノのメアリが訪ねて来るところでは、危うく泣くところだった(いや、泣いたっていいんだけどさ)
メアリに妊娠した事を告げられ、戸惑いながらも、別れ際に祝福の言葉をかける悲痛さなんかもね
いや、俺はこういう、ありきたりかもしれないけど、別れても互いを想い合うふたり、みたいな設定に弱いんだな〜
それは恋愛関係であっても、友情であっても、親子の間であっても同じ
大ヒットの理由は様々だろうし、実際のところ俺にはよく分析できないけど、面白かった
なんて、今更なんだけど…
ところで、そんな風に映画の中のフレディ・マーキュリーやメアリに感情移入できたのは、ひょっとして俺が大してクイーンのファンじゃなかったからなのかもしれない
というのも、ボウイ・ファンの俺にはボウイに材を取った『ヴェルヴェット・ゴールドマイン』には全く感動できず、それどころかチープさばかりがやけに目立ってしょうがなかったくらいなのだ
ま、両映画の狙い所は全く違うので、比較するのはナンセンスだけど、でも何か根っこのところで、ファンか否かというのが評価を左右する事になっていそうだ
もし俺が根っからのクイーン・ファンなら、事実と違うとか、俺の中のクイーン、もしくはフレディ・マーキュリーはこうだ、とかあったのかな、と思ったりする
昔っからのクイーン・ファンにはどうだったのかな
映画のクライマックスでもある、1985年のライヴエイドは友達の部屋でリアルタイムで観ていた
といっても、記憶にあるのはデヴィッド・ボウイとエルヴィス・コステロくらいだけど
ボウイの記憶も薄っぺらで、むしろコステロが赤のストラト一本でビートルズの曲*1を歌ったのが強く印象に残っている
あの当時は、1984年にイギリスのクリスマス・チャリティソング*2がまずあって、翌年に今度はアメリカからの「ユー・アー・ザ・ワールド」が大ヒットしてたけど、どちらの曲もあんまり好きじゃなかったし、今もそうだ
その後に出た、アパルトヘイト政策に対する「サン・シティ」はカッコいいな、と思ったくらい
さて、クイーン
何年も前に、友人から借りてPCに入れたクイーンのベスト盤、それっきりで全く聴いていなかった
クイーンといえば、俺の中ではボウイと演った1981年の「アンダー・プレッシャー」くらいで、有名曲はもちろん知ってるけど、あんまり食指が動くタイプの音楽じゃなかったのだ
Queen & David Bowie - Under Pressure (Classic Queen Mix)
俺の世代だと、小学生の頃からロック聴いてたような早熟なヤツは結構クイーンに詳しかったけど、俺は中二からのニューウェーヴ・スタートだから、パンク前のロックってなんだか古臭く感じて魅力を感じなかった
でもようやく、映画のおかげでクイーンに対する興味が出てきて、今は仕事の行き帰りで上のベスト盤を聴いているところだ
コーラスワークやブライアン・メイのギターの音色、多重録音による独特の重層間、あとはもちろん圧倒的なフレディ・マーキュリーのヴォーカルに感動している
恥ずかしながらニワカなんだけど、俺には今がクイーンの「聴き時」だったという事か
*1:All You Need is Love