ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

ノスタルジーそして終わりのない感傷(1)   病膏肓に入る

ある日曜日、休みだった俺が息子を誘って車で出かけた時のこと

その帰り道、それはそれは真っ赤な夕焼け

なんだか物悲しくなってくるほどだった

だって明日は仕事だし、と

 

息子に、日曜日の夕焼けって悲しい気持ちにならないか、と訊いてみた

すると、別に、なんていう意外な答え

嘘だろ、明日学校だぞ

 

面倒臭いけど悲しくはならない、と

あ、そうなの、俺なんかもう悲しくてやりきなくなくなるよ

父親のそんな想いを息子はどんな風に思っただろうか

 

もっと言うと実は、絶望的な気持ちになるんだ

大袈裟じゃなく、本当に胸が張り裂けそうな気持ちになる事もあるくらいだ

子供の頃からずっとそうなのだ

 

小学生の頃、月曜日に学校を休みたくて扇風機をつけっぱなしで一晩寝てみた事がある

仮病は難しいから本当に風邪をひこうと思ったのだ

残念ながら少し下痢した程度で、仕方なく学校へ行った

 

これも小学生の頃の事、月曜の朝は極度にテンションが低く、今日は誰とも喋らないぞと決意して登校

普段は賑やかな俺の態度を不審に思った友達が理由を聞いてくるのは当然で、俺はノートか何かの端に、今日は誰とも喋らない、なんて書いてそいつに決意を表明した

今考えてみれば、その時点で俺の決意は既に揺らいでいる…

 

息子は見た目がなんとなく元気無さそうな高校生で、俺の言う事に共感するものだと思っていた

そうか、そりゃ意外だ

でもその方がいいに決まってる

 

ところがだ、なんと娘が俺に似て妙におセンチだと言う事に最近気づいた

娘は見た目が元気いっぱいな感じで、ふざけたがりの賑やか中学生なのに

う〜ん、これまた意外な…

 

やっぱり娘と俺は似ている、顔もそうだが何より性格が

父と娘は似る、なんていうが我が家はそれに当てはまる

ちなみに妻と息子は更にソックリで、笑っちゃう位のレベルだよ

 

それにしても娘が俺と同じような感じ方をしているというのは、少し心配だ

昔あった事に耽溺して、いたずらに感傷的だったりしないだろうか

全ては過ぎ去り、この世は悲しみに満ち溢れていると感じてしまうのは、ほとんど不治の病だ

 

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俺は子供の頃カマキリに夢中で、口を開けばカマキリの事っていうほどだった

小学校に入る前後の頃で、それは小3くらいまで続いただろうか

その頃の俺の姿が今でも忘れられないらしく、母はカマキリやカマキリの卵を見ると俺を思い出すらしい

 

親は子供が何歳になってもそんなものなのかもしれない(って俺もう55だけど)

まるで俺はもうこの世にいないみたいだ

でも考えてみれば、その頃の俺は確かにこの世にはいないワケだ

 

母が、俺の子供の頃のひどく叱られた後に撮った写真を見て、あんなに怒らなくてもよかったな、なんてこの前言っていた

それ、俺もよくわかる

家族旅行の時にまだ幼い長男を叱った後に撮った写真を見て、何の理由で怒ったのかは忘れたけど、何だか子供が可哀想になってきて、今さら…

 

母は普段とても賑やかで明るい人なんだけど、心配性で時にとても感傷的な事を言う

話していて急に俺をシンミリさせることが時折あるのだ

そんなところ、俺に感染したんだな

 

つづく…