今の職場に移って、もうすぐで1年となる
学歴や資格はもちろん、これといった技能も持たない五十歳を過ぎた人間が、せっかく就いた仕事に不満を持つなんてバチが当たるってもんだ
ただ、日本(だけじゃないだろうけど)の働き方への疑問が膨れ上がる一方なのだ
いや、取り立てて新しい意見ではない
端的に言えば、残業代ありきという働き方が常態化しているのは、やっぱり変だなという事
とか何とか言いながら、俺はその残業代をあてにして転職した訳なんだけど…
現在、会社での拘束時間は13〜14時間くらい
この程度は特に長すぎではないのかもしれないが、俺はこんな働き方をした事がない
そのおかげで前の職場の給料程度は稼げている訳ではあるが
でもこれだけの拘束時間となると、さすがに帰宅してから何もできない
朝は5時に起きて帰りは20時頃
22時はもう寝る時間だ
朝5時に起きるっていうのは、今はもう明るいからいいものの、冬の間は真っ暗
みんなまだ寝ている時間に仕事へ行くっていうのは、何だかとても悲しい気持ちになる
休みは週に2日くらいあるからまだいいけど
こういう人は日本に沢山いるのは承知している
承知してるけどさ、やっぱり今までこんな生活した事ないからね
って、1年経つんだからいい加減慣れろよって話だけど
給料の高い低いはあるだろうが、これが「先進国」日本の今の働き方なのかと思うとため息が出る
中小企業に勤めて、日に8時間労働程度で大丈夫って家庭はどのくらいあるのか
実家に親と同居だ、とかであればまた別かもしれないけどさ
果たして給料が安すぎるのか、物価が高すぎるのか
デフレと言われて久しい訳で、確かにそうなんだけど、何だか頭が混乱する
いや、これこそがデフレの恐ろしさなんだろうけれども、それ以前の問題じゃなかろうか
最低賃金を全国統一に、という議論もあるし、そうなると中小企業が生き残れないという声もある
労働者としては、決められた最低賃金も払えない企業は生き残るべきではない、とは思う
ま、そんな簡単な話ではないだろうが
そう言えば、マルクスの『資本論』第一部が刊行されてから150年経つそうだ
読んでもいないからエラソーな事は言えないが、そんな年数が経ってもこの程度なのかと思うべきか、ここまで進んだと考えるべきなのか
もっとも労働者にとって満足なんかありえないのは、経営者にとって満足がありえないのと同じだろう
子供に金がかからなくなったら、もっと楽な働き方に移りたいとは考えている
いくらなんでも半日以上職場にいるってのは狂ってるよ
なんて、そう上手くいくもんかな
ところで先日、今では倒産してしまったが30年近く勤めていた以前の職場の夢を見た
その会社は今も存続していて、俺はまだ勤めていて、なんと新人も入ってきていた
何故なのかは分からないが、俺は「そうか、何とか経営破綻は乗り越えたんだな」とか思ってた
目覚めた時の、何だろう、あの変な気持ち
なんかこう、甘い喪失感というか、何というか
あんなに文句言ってたのに、今となっては楽しかったな〜、なんて、ね
あんまりノスタルジーに浸っちゃうと社会復帰できなくなるからこの辺にして、ロバート・ワイアットの歌で終わりましょうか
でも、働くってなんだろう…
この問題も考えてると社会復帰できなくなるので注意しよう
好きな仕事や、やり甲斐などの視点がここまで書いてきた中には完全に欠けている
そんな経験をあんまりした事が無いから、こんな労働観になるんだろうな、とは思う
お恥ずかしい限りだ