ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

キラキラネーム・フォーエヴァー

読みにくい名前が増えてしまい、遂には生徒名簿の全員に振り仮名をするようになっている(どこの学校でもなのかは知らない)

いわゆるキラキラネーム増加で、一般的な普通の名前ですら読み方をつい考えすぎてしまったりしてしまうのは変な感じだが面白い

ところでキラキラ認定されるのは、当てた漢字のせいなのか、それとも音の問題なのか

 

我が家の子供の名前はキラキラしていないが、俺はキラキラネーム容認派だ

別にキラキラしてたっていいじゃないか

ネットなんか見てると、キラキラの子の親のレベルがどうしただのいう奴いるけど、お前自身のレベルはどうなんだよ、と言いたくなる

 

これは漢字と振り仮名の関係が緊密ではない日本語の特質で、漢字が何であれ好きなように読ませてよいというのは考えてみれば凄い事だ

漢字に恣意的なルビを振って重層的な意味を持たせられるというのは、何よりメリットではあるだろう

ただ外国人には、混乱を招きかねないそのメリットの意味がよく分からないかもしれないけどね、いや俺もよく分かってないけども…

 

 

森鷗外の子供の名前がえらく奇抜だというのは有名だ

於菟(おと=オットー)、茉莉(マリー)、不律(ふりつ=フリッツ)、杏奴(アンヌ)、類(ルイ)と、もろ西洋人の名前のオンパレード

更にその子供たち(鷗外の孫)もなかなかの名前が揃っていて、真章(まくす=マックス)、樊須(ハンス)、常次(ジョージ)、爵(じゃく=ジャック)などなど、いやもうここまで来るとアッパレだ

 

読売巨人にいたクロマティは自分の子供のミドルネームにオー(王貞治の王)と付けたし、やはり同チームのガリクソンは子供にクワタ(桑田)と付けている

ベッカムの子供はブルックリンだし、デヴィッド・ボウイの子供のミドルネームはゾウイだ(意味は英語での「うわあ」「きゃあ」などの驚き・喜びの間投詞だそうだ)*1*2

ちなみに俺の高校の時の音楽の先生は娘に作曲家シューマンの奥さんの名前クララを名付けていた

 

f:id:s-giraffeman:20200128102100j:plain

  

20年くらい前、自分の子に「悪魔」と名付けようとして市役所に受理されなかった事でのちょっとした騒動があった

この名前はさすがのキラキラ容認派の俺もどうかとは思う

その親がゴス好みなのかどうなのかは知らないが、やっぱり「悪魔」という名はキツいだろう、と

 

しかしこの感覚はやや日本的なものなのだろうか

日本では考えられない命名を、特に珍奇なものと捉えない社会が世界にはある

先にあげたクロマティガリクソンなんかの命名は、ミドルネームとはいえ日本での感覚ではありえないが、アメリカ人だからな、なんて何となく納得してしまうところもある

 

田中克彦の『カルメンの穴あきくつした』によれば、モンゴルには日本人の感覚ではありえない面白い名前が普通に存在している

ネルグイという「名無し」という名前は沢山いるようだし、フンビシ(人ではない)という名前やヘンチビシ(誰でもない)なんていう名前もあるという

モーオヒン(悪い娘)という名前の男がいたり、バーストという名を日本語に訳すと何と「うんこまみれ」、そして更には「悪魔」という名の人もいるというのだ

 

ま、ところ変われば品変わるという事か

問題となった「悪魔」がどうなるかは分からないが、日本でも名前に対する感覚は今後どんどん変わってゆくだろう

キラキラネームもその流れの一部であり、それは「良識派」がどんなに揶揄しようとどうにもならないのだ

 

先日ヘリコプターの墜落事故で急死した元NBAバスケットボール選手コービー・ブライアントの「コービー」というのは、父親が好きだった「神戸牛」からの命名だった、とニュースで知った

こういうセンスも日本人には無いものだ

シンプルで変に凝った感じがしないのもいい

冥福を祈る

 

(敬称略)

 

*1:ゾウイ・ボウイ(Zowie Bowie)となる もっとも「ボウイ」は日本でいう「芸名」だが

*2:"zowie"という言葉はポーランド語で「偏心」という意味らしく、それは正にボウイ的だ ポーランド語というのが代表作『ロウ』の中の「ワルシャワ」を想起させるのは偶然とはいえ面白い