たまたま俺が休みの日、中1の娘が部活休みだという事で早く帰宅してきた
すると、駅前にある古着屋が今月で閉店するから行きたいという
じゃあ車で連れていくか、となった
俺は俺で、その近くにある大きな本屋で立ち読みしようかな、と思った次第だ
若い頃はよく立ち読みしていた
高校生の頃は、友達との待ち合わせは本屋だったし
今は本屋といえばブックオフ、立ち読みよりは物色が主だ
俺はもう既に、今後残された時間を全て費やしても読み切れないほどの本を持っているが(ブックオフよ、ありがとう)、今まで仕入れた知識の半分以上は立ち読みによるものじゃなかろうか
10代から20代にかけて、何かっていうと本屋へ出かけてはあれこれ立ち読みしていた
その頃たぶん俺、頭がどうかしていたんだと思う
とまあ、そんな訳で久々に大きな書店で立ち読みをした
見るコーナーは大体いつも決まっている
背表紙のタイトルを追って行って、気になるのがあれば手にとって目次を見る
パラパラめくって拾い読みしてると面白くなってくる本がたまにある
今回は内田樹の『そのうちなんとかなるだろう』が面白かった
これは内田樹半生記
内田樹、10年くらい前まではあれこれ文庫本買って読んでたけど、ここ最近は「反政府活動」の盛んな様子がなんだかカルトっぽくて、どうしちゃったんだろうと少し気持ち悪さを感じていた
言ってる事には必ずしも反対って訳じゃないけど、妙にベタついた「お仲間」向けな感じが甘ったるくて鼻に付くようになってきた、、、なんだかな、と
この人、この手の文筆家としては比較的遅咲きだったようだけど、功成り名遂げた途端に教祖様みたいになって、「知の巨人」だなんて意味不明の冠を付けて呼ばれるようになっちゃって…
でもこの本では、高校中退して大検受けて東大入って、大学院行くのに難儀して教師の口にもなかなかありつけなくて、離婚があって娘との父子家庭を生まれ育った東京から遠く離れた神戸で送って、でもずっとそれなりに楽しんできた、なんて面白おかしく書いてある
娘を待つ1時間ばかりの間にざっと斜め読みしただけだけど、俺の心は何だか軽やかになっていた
この本、買っちゃおうかな(あ、ブックオフでね…)
(敬称略)