どうも七月に入った辺りから、何事に対してもやる気がおきないというか、全体的にモチベーションが上がらない
夏バテとも違う
十代の頃から、自分でもどうしたらいいのか分からないくらいの無気力に襲われることがよくあり、鬱病ではなかろうかと本屋へ調べに行ったりしたものだが、最終的には薬しかないみたいな事が書かれてあったので、あれこれ考えるのはやめにした
やめにしたところで何も変わらないが、どうにもならない事が分かると何となく解決がついたような気がして、自分の中では終わってしまった
人に言わせると、それは「鬱」ではないそうだが、なるほどそうかもしれない
俺は密かに、思春期における人格形成に失敗したからではないだろうか、とも思ったりしているが、まあ別に何でも構わない
何でも構わないが、それにしても無気力だ
こればっかりはどうしようもない
自然にモチベーションが上がるのを待つばかりだ
ところで、「モチベーション」ってここ20年くらい前から一般化したんだよな、と今思ったが、こんな気分の時はそんな風に勝手に湧き上がってくる連想や妄想に身を任せて、時間をやり過ごすに限る(仕事中もこの調子だ)
どんなに気乗りしない時でも、家に帰れば何となく気も紛れる
家族がいる事の良さであろう
ふと思い出したが、独身時代にこんな気分に陥った時に読む本は決まっていた
このどちらかを、仕事から帰ってビールやウィスキーなんかを飲みながら読んでると、なんとなく気が紛れたものだ
1 は、澁澤と高校の同級生でもある著者による、お互いの無名時代からやりとりした手紙の解説と思い出話を綴ったもの
すでに故人となっていた澁澤に対して出口の想いは後悔の念も入り混じった優しさに満ちている
そして出口裕弘も2015年に亡くなってしまった
2 は1989年刊行で、坂本は当時ニューヨークに移住したばかりだったが、その頃の苦労話や青春時代の思い出などを語っている
その後坂本の本に何度も形を変えて出てくる話もあって、ここが初出…の筈
久しぶりに出してきたが、結構シミがあった
なぜこれらの本なのかは不明で、しかも効用はあくまで個人的なものなので、特に推薦図書だというつもりはない
いや、そもそも俺はアルコールが入ると陽気になるタチだから本は関係なかったかもしれないな、と今になって思った
(敬称略)