最近は仕事の絡みもあって月に3回くらいは実家に帰る
そして夜の8時半頃に実家を出て、車で1時間程かけて現在の住まいに戻るのだが、その際いつも少し遠回りになる出身小学校の近くを通って帰る
そこはひっそりとして、時間が時間だからほとんど真っ暗なんだけど、なんでまたわざわざそんな事をするかというと、その辺りが強烈なノスタルジーを感じさせる場所だからなのだ
この何やら得体の知れないノスタルジーという怪物については、また改めて書こうと思うが、今回は別の事を
で、その小学校近くを通る時に何故かいつも思い出すのが、図書室にあった江戸川乱歩の本で、ポプラ社の『怪人二十面相』や『黄金仮面』などの少年向けシリーズだ
俺は特にそのシリーズを読破したわけでもなく、せいぜいが5冊くらいしか読んではいないが、とにかくその本の表紙や挿絵が思い浮かぶ
俺にとっての江戸川乱歩は『芋虫』や『陰獣』や『パノラマ島奇譚』などではなく、ポプラ社のこのシリーズなんだな、と思う
現在そのシリーズは装丁や挿絵が変更されているが、昔のものは挿絵も表紙もそのままに文庫となって今でも出版されている
根強い人気があるんだろうね、オールドファンからの
子供のころ読んだ絵本で思い出深いのは『ちいさいおうち』(バージニア・リー・バートン作、石井桃子訳)
主役となる「ちいさいおうち」が野原にポツンとあったんだけど、やがてその周りが都会化して行き、そのおうちは道路や駅の一部になっていくという話
俺はこの家が道路や駅と一体化していく様(さま)に、なんとも言えない興奮を覚えたのだが、何故なのかは今でもよく分からない(フロイト風エロ解釈はご勘弁を)
今では古典的名作(?)になっているらしく、かなりの版を重ねているようだが、そんなこととは知らず本屋で見つけたときは物凄く感激して、早速子供に買ってやった
が、読んでやっても俺のように興奮はしていなかった(当然か…)
そして子供の頃に夢中になったといえば、何といってもウルトラマン・シリーズと仮面ライダー・シリーズ、とりわけ仮面ライダー1号2号は俺が6歳の時の放映スタートだから、どんぴしゃりの世代を自任している
もちろんテレビも楽しみにしていたが、何といってもカルビーの「仮面ライダー・スナック」付録の仮面ライダー・カードなのだ
「当たり」が出ると専用アルバムが貰えるんだけど俺は全然当たらなくて、仕方ないから父親から使っていない名刺入れを貰いそれに入れていた
その名刺入れがまた立派なものだったから羨ましがる友達も現れて、俺は随分と留飲を下げたものだ
当時はビデオ・レコーダーというものは普及していなかったので、いくらテレビで観たとはいっても記憶など曖昧で、むしろ仮面ライダー・カードでの記憶が勝っている
俺の仮面ライダーはこのカードの中にこそあるのかもしれない
だから、仮面ライダー・カードすべてを掲載した労作、堤哲哉の『仮面ライダー・カード』を発見したときの喜びといったら
俺の幼年期を取り戻そう、なんて気持ちになるくらいの一冊である(残念ながら現在は絶版)
人には人のノスタルジー
という訳で、人様の共感を得られるとは全く考えていないが、近日中に第二弾も計画している
乞うご期待
(敬称略)