享年61歳
闘病生活がSNSで公表され、治療のためのチャリティ・シングルの発売などもあったようだが、それを知ったのは残念ながら亡くなってからだったので、俺にとっては突然の訃報だった
これは現在YouTubeでも観ることができる(何といい時代になったことか)
とび抜けておしゃれで、ドラムとベースがいない編成という脱ロック感が溢れていたので、田舎の中学生だった俺に最も「東京」を感じさせる人たちだった
その後同じくNHKの『レッツ・ゴー・ヤング』という歌番組でも2回くらい観たし、番組名は忘れたが加藤和彦が司会の歌番組でも観て、それはカセットに録音した
アシスタントは竹内まりやじゃなかったかな
プラスチックスは’81年の解散まで2枚のアルバムと1枚の新録ベスト・アルバムをリリースしており、解散後も’80年のライブ盤、ライブDVDの他、レコードデビュー前後のライブCD+DVD+BOOKや中西俊夫自伝『プラスチックスの上昇と下降、そしてメロンの理力』とその付録のデビュー前のライブCDなど、なかなか充実している
ドラッグでラリったままTVに出た話とか、細野晴臣にベースを頼んだ際にトーキング・ヘッズのティナみたいに弾いてほしいと言ったら「じゃあティナに頼めば」と言われたとか、テレビ出演の際によく見かけたスティック・ギターは同じ事務所だった宇崎竜童からの借り物だったとか、様々な交友録も含めてどうでもいいけど興味深い、そんなエピソードが満載である
付録の初期のライブ音源も面白い
Plastics Top Secret Man (Promotion Video)
プラスチックス解散後はMELON、WATER MELON、ソロ作品(カセット!)があり、その後はヒップ・ホップ・ユニットなどなど、亡くなる直前まで様々な名義、形態で活動は続いていた
死の約半年前に行われた桑原茂一によるインタビューでは、同じ癌罹患者として坂本龍一から沢山の情報をメールを貰っているとか、自殺した加藤和彦の話だとかを話していて興味は尽きないが、亡くなった後に読んだせいか、中西俊夫の中の絶望感や生きる事への意欲や意思、戦略などが絡み合っていて、何だか辛くなってくる
またこのインタビューでは、「世間の認知度が低いことへの憤り」を口にしている
昔のアルバムの再発や、未発表のライブ音源が何種類かリリースされるなどというのは、相当数の固定客が見込まれているということだから、随分と恵まれている方だとは思うが、いつまでも昔の事ばかりというのはやはり不満だったのだろう
俺自身はプラスチックスとメロンは今でも聴く機会が多いものの、その後の活動をずっと追い続けて来た訳ではないので、今更とはいえ少し後悔に似た気持ちになる
今後、フォローできていない時期の作品も聴きたいと思っている
ミュージシャン中西俊夫は幸せ者だ
(敬称略)