ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

つぶれるまで 01:その概略

また一人、退社する者が出た

給料は今までより減ってしまうが将来のことを考えると致し方ないのだ、と言いながら、それでも本人は、長く勤めた会社だし、自由もきくし、本当はやめたくはないのだと言う

もちろん半分以上は言い訳だろう

 

 

まずは会社の現状や、ここに至った経緯を簡単に説明しようか

我が社は地元で100年以上続く老舗の小売店である
十数年前、3代目の若社長が道楽の末、何億という負債を抱え経営破綻、民事再生手続きをして現在に至っている
その際、その若社長はもちろん、その家族も経営から手を引くかたちとなった
ちなみにその3代目若社長は当時まだ30代前半、2代目である父親は健康上の理由で社長を退いていて、程なく他界していた

 

 

さて次の社長は、もともと社員である、3代目と同い年の子分が就任
まさかとは思っていたが、やはり背任行為が発覚
3代目に約3年間毎月100万円ほど振込んでいたのだ


発覚したきっかけは、売上が下がってきて、3代目への横流しが困難になり、ヤクザ化した3代目の催促と恫喝を子分社長が受けるようになった為、になり、他の役員に助けを求めたからだ
結局精神科に入院した子分は社長を解任され、会社からも逃げて、実家で引きこもり生活に入って現在に至る

 

 

その後、社長の座は以前からいる銀行出身の爺さんにバトンタッチ
しかし、その爺さんは背任行為こそないものの、経営能力がゼロで、売上もますます低下、各取引先への月々の支払いが厳しくなってきてしまった


挙句、ある取引先の発案で、社員への給料を遅配、それを支払いに回すようにしてしまった

我々社員に対しては、当時であと3年程で終わる予定であった民事再生の弁済に協力してほしいとの説明、説得であった筈だったが

 

 

現在、給料の遅配は4ヶ月分になる 

当然社員は激減した

 

昨年、民事再生の返済は終わる見込みもなく、それどころか月々の取引先への通常の支払いすら、ままならない状態であることが初めて露呈した

そこで、全く機能していなかった役員会議を無視して、昨年8月の店長会議で、これ以上の給料遅配は許さないし、そうなった場合は訴えるざるをえないと詰め寄り、ようやくここ一年は遅配なく給料が振込まれている

 

とはいっても、激減した社員が戻ってくる訳はない

売上も落ちる一方だし、取り返しのつかない事になってしまっている

現在は取引先の温情で存続できている状況であるが、いずれ給料も払えなくなってしまうだろう
その時が最期

 

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さて、いかがだっただろうか
この記事をお読みになった方は、さぞかし我が社の経営者にも、また我々社員にも驚き呆れ果てている事だろう
経営者も悪質かつ無責任だが、社員も低能かつ従順すぎた



それにしても、こんな話はよくある事なのか、それとも酷すぎるのか

まるでテレビかマンガのベタなストーリーみたいだが…

 

   *なんだか力が入っちゃったな〜