ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

アンナ・カリーナのこと

もう15、6年位も前の事だ
俺が住んでいる地域の小さな映画館で、ゴダールの作品を上映すると聞き、早速観に出かけた。
それは『はなればなれに』という1964年の作品で、当時は日本未公開であった

実を言うと俺は映画を殆ど観ない、だから当然詳しくもない

それでもゴダールの名前は知っていたし、20歳の頃にはレンタルで『勝手にしやがれ』や『気狂いピエロ』を観た事もあった
しかし、これのどこら辺が面白いんだろうかとか、なぜ登場人物はこんなにも喋りまくっているんだろうかとか思って、まあいずれ俺向きではないなと感じていた


そんな訳で『はなればなれに』に何かを期待していた訳ではないし、どんな映画なのかも知らなかった
ただ、こんな田舎でゴダールを映画館で観るなんて経験は今後滅多にある事じゃないだろう、なんて思ったまでのことだ

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さて、映画そのものは単純なストーリーで、ルーブル美術館を駆け抜けるシーンや、今や名高い「マジソン・ダンス」など、小さなエピソードがつなぎ合わされて、覚悟していたような難解さはあまり気にならなかった

いやそんな事よりアンナ・カリーナがメチャクチャ可愛いかったのだ!
ゴダールを観に行ったはずが、アンナ・カリーナばかり見て帰ってくるという結果であった 

 

当時この二人は夫婦関係にあったわけだが、この頃のゴダール映画はアンナ・カリーナPVのような側面もあったのであろう

そして翌年の『気狂いピエロ』の頃はもう離婚していたというから、「ゴダールよ、お前はなんて女々しい男なんだ」と言いたくなる…分るけどね(推測)

 


それからすぐに『女と男のいる舗道』『アルファビル』『アンナ』などカリーナ主演のDVDを購入、俺のアンナフィーバーは過熱していったのだった



実はついこの前、前に観た時は何とも感じなかった『気狂いピエロ』DVDを中古で安く見つけたのですぐに購入し、俺のアンナコレクションに加えた(なんか気持ち悪い言い方だな)
で、約30年振りに観てみたが、なんとアンナ・カリーナは予想に反して超キュートではないか!
何故以前の俺は理解できなかったのだろうか?

きっと昔の俺は「ゴダール」に気を取られて、アンナ・カリーナが見えてなかったのかもな、と今では思う
日本でのゴダール人気はいまだ健在ときくが、半分以上はアンナ人気なんじゃないかな…なんつって



写真で見るアンナ・カリーナは、何だかいつも暗い眼をしてて、ゴダールの難解映画の女優さんって感じがするけど、映画の中では小悪魔的な魅力が溢れ出てるんだよな〜
そんなところも20歳の俺には理解不能だったんだね