ちょっと青臭いというか幼稚な感じのする事をひとつ
これは今まで何人かの友人に話した事があるんだけど、説明不足なのかどうなのか、あんまりみんな共感してくれない
いい歳して力説する事でもないんだけど、「不思議ちゃん」みたいに見られるのは心外だ
何の事はない
タイトル通り、突然に現実感が希薄になって、目の前の光景と自分の存在が分離してしまうような感覚に捉われる時があるという事
何だか自分が周囲から浮いた存在になるような感じ
何がキッカケでそんな風になるのかは分からないが、子供の頃からだ
何でもない時でも、それを意識するだけでもそんな意識に入り込んでしまう
そんな状態は数分で終わる、というかその程度の時間で通常の世界の戻る、というか意識しなくなるんだろうな
ちょっと調べてみると「離人症」とか「解離性障害」とか出てくるが、特に困難な事態になったことはない
割と多く見られる「症状」だそうで、この程度は病的なものではないようだ
むしろ俺は、来た来た、って感じで楽しんでいるくらい
強い精神的ショックを受けた時に感じる、妙な非現実感もこれの一種だろう
あと、いわゆる「ゲシュタルト崩壊」、例えば平仮名の文字が読めはしても、「あ」なら「あ」に見えなくなってしまう、なんていうのも同じ感じだろうか
いずれ、脳の働きが普通でなくなった状態なんだろう
高校生の頃、自分の存在がアヤフヤに感じる訳だから、実存主義っていうのはこういう感覚を扱っているんだろうかと思って、概説書やサルトルの『嘔吐』などという面白さのよくわからない小説などを苦労して読んだりしたけど、とんだ勘違いだった
懐疑論なんてのもあるけど…
あまり関係は無いだろうな(ヒュームなんて読んだことないよ)
その後、荘子の「胡蝶の夢」なんてのを知り、感覚としてはこれに近いと思った
ただ、これが夢かあれが夢か、というのは哲学もしくは思考の遊びみたいなもので、やはりちょっと違う
その他、「仮想世界」とかいうのも同様で、俺はそんな事を言っているのではないのだ
それらの思考実験やSF的発想みたいなものではなく、非常に現実的な非現実性とでもいうのか…
こうなると言葉遊びのようなので、シラけてしまうが
でも俺の感じているものは、眩暈のするような現実、そんな感覚なのだ
念のため経験のない方のために言っておくと、この感じは酔っ払ったり寝ぼけたりした時の訳の分からなさとは違う(薬物による幻覚幻聴の事は知らない)
繰り返すが、あくまでも現実的な感覚であり、ただ単にこの世界から浮いてしまうような感覚なのだ
もちろん、そんな感覚に捉われたからといって、とんでもない事をしでかそうか、なんて思った事は幸いにして無い
余談ながら、殺人事件の裁判で、被告の弁護として「責任能力の有無」なんて事が争点となったりする
あれはそんなにも拘らなければならない事なのだろうか
死刑の判決を覆したいのなら、そんなアヤフヤな事など主張せず、もっと真っ当な弁護ができないものなのか、といつもニュースを見ながら思う
弁護のしようがないと思える場合でも、もっと違う面を弁護できないものなのか、と
例えば、判決は変らなくても被告の人間性であったりとか
訳の分からん事を主張するよりはマシではなかろうか
何の話だ…
いずれ、この感覚は特に珍しいものではないようなので、誰もあまり口にしないだけなのかもしれない
何故なんだろう、俺は不思議でしょうがないのに