ボードレールが好きだ
デヴィッド・ボウイやYMOや江川卓や藤子不二雄(AとFの区別はしない)や仮面ライダーやウルトラマンやウルトラセブンや特捜最前線や…調子に乗ってもっと続けたいけどこの辺で我慢しておいて、要するにそれらが好きなように好きだ
ま、その程度の事と受け取っていただきたい
で、二十歳の頃には人文書院の『ボードレール全集』全4巻を買った
東京町田の古本屋で¥4,000だったと記憶する
よくそんな金があったな、とも思うけど、当時はブックオフなんか無いし、そんなに高いとも思わなかった筈で、むしろ安い位だと思ったからだと思う
だって1冊当たり¥1,000だし
その頃気になっていたユングやバシュラールなんかを買うよりは、ボーレール全集をこそ、この機会に買うべきだと思ったのは覚えている
そしてそれは見事に当たったワケだ
だってユングだのバシュラールだのエリアーデだの、今じゃ全く関心ないから
いや、いい買い物だったよ
やっぱり「デカダン」とか「世紀末」とか「悪」とか「死」とか「罪」、なんてのは若いハートを鷲づかみにするからね
バクチク(Buck-Tick)なんていうバンドも『悪の華』というアルバムを出している(1990年)
俺はよく知らないけど結構有名らしくて、ウチの奥さんなんかは『悪の華』といえばバクチクが真っ先に思い浮かぶようだよ、ファンでもないのに
ちなみに俺はバクチクのメンバーと同い年だ(あんまり関係ないか)
で、ボードレール
俺は昔も今も、詩なんかほとんど読まないし読んでもよく分からないんだけど、例外的に『悪の華』は少し面白いと思った
実は、そのように思える詩なんてのは、俺にはほんの僅かしかないんだな
いや、『悪の華』だって『巴里の憂鬱』だって、よく分からないものの方が多いんだけど
たぶん、詩は小説などと違って若いうちに親しんでいないとダメなんじゃなかろうか
とりわけ、和歌なんか絶望的だな、と思う(…だから何なの、みたいな感じ)
でもそんな人間にも、『悪の華』は入って行きやすかった
そんなこんなでボードレールの『悪の華』はいろんな翻訳者で持っている
古本屋で見つけると、何となく買っていたから(高価・貴重なものは無いけど)
英訳版を今度買ってみようかな、なんて思ってるけど、その前に原文のものを入手すべきか(でもそんなの買って読むのかな…)
誰それのは誤訳ばかりでボードレールを読んだことにはならない、なんて意見があったりするけど、別に俺には関係の無いことだ
それはそれで構わない、こっちは専門家じゃないんだから
初めてボードレールを読んだのは『巴里の憂鬱』、新潮文庫の三好達治訳
これ散文詩だから読みやすいし、今でいうショートショートみたいな感じがするものもある
で、『悪の華』を初めて全部通して読んだのは、東京創元社の齋藤磯雄の翻訳で
これ殆どが文語訳の漢文調で、しかも歴史的仮名使いと旧漢字だから、凄く難しかった
あとは福永武彦、村上菊一郎、安藤元雄、阿部良雄、堀口大學、鈴木信太郎(以上全訳)、佐藤朔、粟津則雄、杉本秀太郎(こちらは抄訳)のを所持している
初めて読むのなら、ちくま文庫の阿部良雄訳か集英社文庫の安藤元雄訳がいいと思う
読みやすいし、何より手に入りやすい
専門家に言わせると、訳も最も正確だそうですよ
何事もうまくやっていけなさそうな顔つきがなんとも
先日、俺が冒頭の全集を買ったと思しき町田の高原書店が惜しまれながら遂に閉店、という記事をネットニュースで読んだ
そこでは他にサルトルの『聖ジュネ』なんていうのを買ったなぁ(解説しか読んでないけどね)
他にもちょこちょこ買ったりしてすっかり忘れていたけど、結構お世話になった古本屋だった
そうか、閉店か…
20代の頃、町田の近くに住んでいた
でも町田にはあんまり行ったことがなくて、せいぜいが駅前を少しくらい
まして今となっては思い出せるものは殆んど無い
その本屋ってどの辺だっけと思ってネットで更に検索していくと、入り口の画像が出て来た
あれ、なんか違うぞ…
…うん、やっぱり違う
で、結論
高原書店は俺がよく行ってた古本屋じゃない
じゃあ俺が利用してた店はどこなんだ
調べたけど、よく分からなかった…