高校2年の冬休み、自作曲をひとりで10日くらいかけて多重録音した
自作曲といっても、好きな女の子に向けたラヴソングなどではなく、当時熱中していたYMOやPILやイーノ&バーン辺りに(よく言えば)影響を受けた、実験音楽風の作品で、6曲録音した
それまでのお年玉などで貯めたお金でリズムマシンやエフェクター(音色を変える機械)をいくつか買い、楽器はエレキギターを中心に、あとは家にあったオルガンや中学校の時のアルトリコーダー、空き缶などなど
基本的にはインスト(歌なし)で、作曲は即興演奏だったり、適当にコード(和音)を繋ぎ合わせて、それにメロディを2つ作って重ねたりなど、素人のお遊びだといえばそれまでなんだけど、結構面白いものができた
歌モノもあって、歌詞は古文の教科書から抜粋した文章をローマ字化してそれを逆から読んでみたりだの、意味もメッセージも全くないものをボソボソ歌うという
で、そんな作り方なもんだから、タイトルはどれにも付いていない
そのカセットテープ、家のどこかにある筈なんだけど見当たらない
本格的な捜索をしなくちゃならないな、とはたまに思うんだけど
見つかったら、恥も外聞もなくYouTubeにでもアップしようかな
高校生の頃は、多重録音のためのアイデアを考えるのに夢中になっていて、小さなノートにそれを書きつけていた
その時の録音では、全てのアイデアを出しきったワケではなくて、今でもそれを確かめてみたいと思うものがいくつかある
いや、実を言うと今でもそんな事を考える癖が抜けておらず、いつかまたいくつか機材を買って、ひとりレコーディングに勤しみたいと夢想している
似ても似つかないシロモノでしたが、こんなのを作りたかったワケです
中上:俺は(坂本)龍一にいつも言ってるんだ。「おまえ、小説書けよ」って。「小説書いてもいいですよ。小説家としてデビューしても」って。デビューってのは、要するに小説家としても俺は認知してる。
村上:小説家だもんね。
中上:そうだよ。俺らは音楽家だよ。ほんとそういう意味では、俺は全然一歩も引いていないよ。
村上:あ、カッコいい、やっぱり。
中上:俺はお前と違うことは―ちょっとだけ言わせて―。俺は映画撮らないよ。だけど映画監督だよ。俺はいつも現場の真っただ中にいる。俺は中間項は嫌いなんだ。
村上:中上さんはいつも言ってるもんね。
中上:みんなそうやっていくんだからさ。そういうもんだと思うよ。
と、そういうワケだから、俺は音楽家だ
音楽で生計を立てているとか、音楽事務所に所属しているとか、音楽を作っているとか、楽器ができるとか、歌が上手いとか、そんなのはどうでもいいことだ
ボクワ、オンガクカ
Kraftwerk - Dentaku - クラフトワーク - 電卓
対談の続きは、こんな感じ
中上:龍一は、つまり、いつ文芸雑誌に来ても全然不思議じゃない。君(村上)は映画に行っても不思議じゃないし、音楽に行っても不思議じゃない、中途半端な入門編をやるわけじゃない、ダイレクトに真っただ中に行って戦うという、そういうものだからさ。
そうまで言われちゃうと、何だかさっきまでの自分が恥ずかしくなってきますがね
ええ、いくら俺が厚顔だっつったって、そこまでの自負は無いですよ、いくらなんでもさ
(敬称略)