ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

ニューウェーブ あるいはThe Cure受容史

今、通勤の行き帰りで聴いているのは、The Cure(以下キュアーと略)は、1987年のアルバム Kiss me, Kiss me, Kiss me

キュアーはニューウェーブ*1の代表的バンドのひとつで、かつ一番の大物である
ニューウェーブ世代の俺からすると、キュアーが大物?、とやや違和感を感じてしまうが

ところで「ニューウェーブ」というロック用語を自明の事のように使ってきたが、ピンとこない方のために少し解説しておきたい


ニューウェーブ(以下NWと略)というのは、70年代後半から80年代前半までの「ある傾向」のロックの事であるが、どんな傾向なのかを一言で説明するのは不可能である
なぜなら、音楽性はバラバラであり、また何らかの流派があった訳でもないので*2、「ある傾向」と言うより説明のしようがないからだ


強いて言うなら、ポスト・パンクなどとも言われる様に、パンクで破壊されたロックが再度、様々なジャンルの音楽をパンク的新解釈で再構成したロックがNWといえるので、「パンク的新解釈」の部分が「ある傾向」に相当するだろうか

 

なので極端に格好つけて言えば、パンクとNWの関係はダダとシュルレアリスムの関係に良く似ている

 

KISS ME KISS ME KISS ME-R

 

俺が初めてキュアーを聴いたのは高校2年の時で、当時ようやく初の日本盤発売となった、1982年の4thアルバム『ポルノグラフィ』だった

つまりそれまで日本では、そんなに知られていなかったという事であり、恐らく本国イギリスでも同様だったのではなかろうか…せいぜいが人気のインディーバンド、くらいで

で、ようやく83年のシングル Let’s go to bed がイギリスでヒット、おかげでメジャーな存在となり、翌84年には初の日本公演が行われた

 

 自慢じゃあないが、俺はそれを観に行ったぜ!

そしてその後は着実に売上げ枚数を伸ばし、90年頃には超メジャーバンドとなった模様…
とは言ってもオアシスの様なメジャーっぷりではないんじゃないかと思うんだけど、どうかな?

 



何故今 Kiss me〜のチョイスなのかというと、この前ブックオフで¥500で見つけて買ったからだ

87年のリリース直後にアナログ盤を購入していたので、今回はCDで再購入した事になる

ほぼ30年振りに聴いたにもかかわらず、細かい所までよく覚えていた 

 

このアルバムのリリース当時の俺はロックに興味を失っていたのだが、それでもキュアーは発売されるとすぐ買ってたんだよな…


アナログでは2枚組だったので収録曲数が多いこのアルバムは、それまでに比べ音が薄く、少しデモ音源っぽい感じすらして、キュアーにしては珍しく全体にあっさりした味わいになっている 

 

当時はNWなどというものは、すっかり下火になっていたが、この辺りからキュアーの大物化が始まって来たようだ

代表曲 Just like heaven 収録

 


The Cure - Just Like Heaven

 

 
とっ散らかったまま終了 

*1:new waveウェーにしてみたが、なんだか違和感があってウェーブとした…どちらが良かったのか ウェイブ?

*2:一応ネオ・アコースティックとかネオ・サイケデリックとかポジティヴ・パンクとかゴシックとかインダストリアルとか細かくいろいろあるにはあったが、個人的にはそのような細分化より総称としての「ニューウェーブ」に意味があると思っている