ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

「ゴキゲン」使用例の調査より あるいは死語考察

今では死語化しているであろう「ゴキゲン」
使用例としては1979年『熱中時代・刑事編』での主人公・水谷豊がよく口にしたセリフ「ゴキゲンだぜ」を挙げておくが、ここでは恐らく喧嘩を買う際の「上等だぜ」みたいな感じのニュアンスが近いと思う
 
あとは昔のラジオDJの慣用句、「ゴキゲンなナンバー」等での「最高」とか「ノリが良い」とかいう意味での使用例で、こちらの方が一般的だろうか
1980年前後風の形容詞であるが、イメージではクリス・ペプラーとか赤坂泰彦などは現在でも使っている気がする(使っていてほしい)
 
「ゴキゲン」はもちろん漢字では「ご機嫌」だが、「最高」で「ノリが良い」から「ご機嫌」になる、という流れであって、『熱中時代〜』ではその反語になる
ここでは一般的な用法による「ご機嫌」と区別するため、スラング・俗語的用法の方はカタカナで「ゴキゲン」と表記する
 
さて、この「ゴキゲン」だが、いつ頃から使われていたのだろうか
1979年当時『熱中〜』をリアルタイムで観ていた者としては、その頃は既に珍しい使用法には聞こえなかったので、その前から耳にしていたものと想像される
 
山下達郎率いるシュガー・ベイブ、1973年の「Show」という曲で「最高にご機嫌さ」という一節があるが、ここでは「ご機嫌」と「ゴキゲン」の中間といった感じか
この頃にはひょっとして「ゴキゲン」の使用例として既に市民権を得ていたのかもしれない
 
 

f:id:s-giraffeman:20180521121207j:plain

 ディスコをイメージして選択した画像(ノリノリ)
 
 
死語といえば、個人的に真っ先に思い浮かぶのは「ナウい」という言葉だ
個人的には、1978年頃にインスタント・ラーメンのCMで使われていたのを聞いたのが初めてだと記憶するが、大橋巨泉が出てて、相手の女性(不明)が「ナウいじゃん」と言うのだ
 
ところで当時、その言葉を会話の中で自然に使っているのを聞いたことがない
地方在住であったので、そうだったのかもしれないが、東京辺りでは使われていたのだろうか
 
 
あと現在の「マジ卍(まんじ)」、20年くらい前の「チョベリバ/チョベリグ」などが、ちょっと変な新語・流行り言葉として思い浮かぶが、本当に使われている(いた)言葉なのだろうか
地方に住み、世代も違うと全く分からない
少なくとも、地方在住である我が家の中学生と小学生は「マジ卍」は使っていないようだ
 
流行り言葉とは違うかもしれないが「違うよ」が「チゲぇよ」とか「カッコいい」が「カッケェ」とか、どんなもんなんでしょう
初めて聞いてから何年も経つのに、一向に耳に馴染まない
いい加減そろそろ死語化して、使うのが恥ずかしい事にならないだろうか
ウチの中学生はよく「チゲェ」を使っているが…
 
他にもいくつか嫌な新用法らしきものもあるが、それはある地域の方言的使用法だったりするようなので、それについては触れないでおく
 
 
さて「ゴキゲン」に戻って、国語辞典を数種立ち読みして調べてみると、「機嫌の良いさま」という用法が記載されているが、「最高な」とか「ノリが良い」等のさらに踏み込んだ解釈に関してはどこも載っていなかった
 
なおネットでの『デジタル大辞泉』には、「好みに合って、気分良く感じられるさま」とあり、例文として「ご機嫌な映画」とここでいう「ゴキゲン」の解釈があったし、『Weblio辞書』では「ノリノリ」が類義語として挙げられている
 
「ゴキゲン」は「ナウい」や「マジ卍」「チョベリバ/チョベリグ」などと違って、ただの言い換えではなく、本来の意味をより拡げたものなので、それらと同じ括りにしてはいけない
 
ちなみに我が家にある昭和58年12月発行の『広辞苑・第三版』では、「非常に機嫌がよいさま・上機嫌」、例文では「万事好調でご機嫌だ」 とあり、せいぜいが上機嫌の言い換えで、今の国語辞典よりも消極的な解釈の印象を受けたがどうだろうか(思い込みか…)
最新の『広辞苑・第七版』も見てみたかったが、紐が巻かれてあって残念ながら立ち読みは不可能だった
 
 
 (敬称略)