ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

細野晴臣『Vu Jà Dé』発売に寄せて

細野晴臣は栄光の絶頂にある

キャリアのスタート時から日本のロックの中心にいたはずの細野に何を言っているのだ、との意見もあろうかと思うが、繰り返し言おう、栄光の絶頂にある、と

そして今や自由闊達、正に仙人みたいになってしまったような感じさえ受ける

 

という訳で現在の細野に対して、はっぴいえんどYMOの頃の、はたまたトロピカル三部作の時のような音楽を望む者はほとんどいないだろうし、そんな伝説的な過去の業績と現在の活動が同列に語られるロック・ミュージシャンは世界的にも稀な存在と言える

 

さて、先日11月8日発売のニューアルバム『Vu Jà Dé(ヴ・ジャ・デ)』がリリースされたが、なな何と2枚組の超大作である

今時2枚組なんてベスト盤くらいでしかお目にかかる事はないが…

実はこれレコード会社からの要望だったそうで、カバーとオリジナルそれぞれ1枚ずつ、合わせて約1時間であった

 

2007年の『フライング・ソーサー1947』以来のシリーズの延長と言っていいと思うが、カバー曲はどれも1940年代から50年代に作られたブギウギとかラテンの曲

一方、オリジナル曲の方は、他への提供曲やセルフカバーで、1曲だけ自作でないのが入っている(ただし歌は細野)

 

カバー、オリジナルどちらも俺が好きなのは日本語歌詞で歌われているものだ

特に「A Cheat」「洲崎パラダイス」「寝ても覚めてもブギウギ」など

ちなみに「洲崎〜」は『HoSoNoVa』収録の「カモナ・ガール」の続編だと本人がコメントしていて、なるほど、かたや遊女かたや遊郭がテーマで、曲調もどこかしら似ている

つい口ずさんでしまうのは、石川さゆりに提供したという「寝ても覚めても〜」かなぁ、ブギウギというよりはチンドン屋の音楽みたいだが、違うかな?

 

こういう、明らかな作り物の世界というか現実的ではない情景を歌詞にするというのは、細野の昔からのことであるが、現在の日本のロック・ポップス界においては、ますます貴重なものといえるのではなかろうか

 

Vu Jà Dé (ヴジャデ)

ジャケットがまた秀逸

 

そんな今年70歳となる大ベテランが新作をひっさげて小規模ながらライブツアーを行うというのだから、またまた凄い

そして恐らくだが、誰もヒットパレードの懐メロ大会など期待もせず、あくまで今現在の細野晴臣を体験したいと思って会場に足を運ぶのだろうと思うと更に凄い

もっとも細野にヒット曲など無いのであるが…

 

 

ここまで敬称略で書いてきたが、普段は敬意と親しみを込めて「細野先生」と呼んでいる(言うまでもないが面識なんかないけどね)

なので、ウチの子供たちも細野先生と呼ぶ

特に中2の息子は星野源ファンなので、その師匠である細野先生に少し興味が湧いてきたようだが、こういった星野のような若いフォロワーが次々出て来ているのも、当たり前なようでいて、やっぱり凄い事だ

 

 

最後に

細野先生はまだタバコをやめていないご様子、なんだか今時それも嬉しい(俺はだいぶ前にやめてしまったが)

でもお身体には呉々もお気をつけください、と願わずにいられない



(敬称略)