ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

アンドレ・ジッド 『コリドン』の読了記念に

アンドレ・ジッド(ジイド)の『コリドン』を読んだ なんとこの本、昭和9年発行である 俺が持ってる本では一番古い 横書きは右からになっている 余談ながら、いつ頃から現在の「左から横書き」に落ち着いたのだろうか そもそも何でまた、「右から横書き」だ…

日本語表記の不安定さを味わう

外国語の日本語表記は難しい というより、本来そもそも不可能である だから、その表記が定着するまで何年も要する訳だが、その不安定さは何故だか俺の野次馬根性を微妙に刺激する 代表的な例としては、何と言ってもドイツの文豪ゲーテ*1だろう 今でこそ「ゲ…

こんなの読んでていいのかしらん あるいは好色文学叢書「ロマン文庫」の思い出

この前、新刊を販売する普通の書店に立ち寄った時に、蓮實重彦(はすみしげひこ)の小説、『伯爵夫人』が文庫になっているのを知った この作品、2006年に三島由紀夫賞を受賞した際、作者の弁が少し話題となったのは覚えていた ま、別に読むつもりも無かった…

新年早々のお買い物

新春ブックオフでのお買い物 なにもブックオフの宣伝みたいな事をしなくてもよさそうなものではあるが、今となっては俺の数少ない楽しみのひとつになっているので、ご勘弁願おう(タイトルからは外したよ) 新春早々、初売りでつい調子こいてしまった(一度…

ちょっとオカルト談義でも

先日、勤務中にパートさんと会話していたときの事 その人、前世や輪廻をどこかで信じているというのだ なるほどね、以前そんなテレビ番組もあったし、結構そんな事言う人いるね かの『源氏物語』なんかでは、何かっつうと「前世」だのなんだの言ってて、当時…

缶詰の中の世界

缶詰というものは、何か俺に強く訴えかけてくる形式の食べ物だ いや、実はあんまり食べることはないけど それでもよく口にする機会が多いのは、ツナとか赤貝とか焼き鳥とかサンマの蒲焼あたりの、ポピュラーどころかな たまには貰いものでカニなんてのも 最…

もやもやなるままにひぐらし

ここ最近はいろいろ盛り沢山で、心がモヤモヤしている 会社のこと、将来のこと、子どもの受験のこと… 今日は、家から車で1時間半ほど離れた店舗での勤務だ ここでは基本ワンオペでOK、というくらいに忙しくないので、いつも本を3冊くらいは持ってくる 持って…

小春日和をめぐって

小春日和の「小春」とは、だいたい旧暦の10月頃を指す言葉だそうだ だから新暦だと11月から12月辺りの期間となり、冬の季語にもなっているとの事 テレビでやってたのをたまたま見て知った 漠然と秋、新暦で10月頃か、せいぜい11月くらいだと思っていたのだ …

ここ最近の買い物 ブックオフ巡りの成果

何度も書いてることだが、俺の休日はブックオフ巡りと決まっている 基本的には、本で100~200円、CDは500円を上限と決めている そして車で聴く音楽ばかりか読む本でも、「最近ブックオフで買ったもの」に左右されてしまう 現在読んでいる円地文子『源氏物語…

ご注意願います、女人禁制のオゲレツな考察です

先日、職場の30代女性社員との雑談中、以下のような話を熱く語った このご時世、女性を相手の下ネタは最早セクハラとして御法度だが、しかし男の下ネタが必ずしも性欲まみれである訳ではなく、それどころか極めて観念的な場合が多いほどで、むしろ女性の性的…

黄金のリレー ハロウィンからクリスマスへ

ようやく終わった、ハロウィン プレゼントのイベントじゃないから、俺の仕事には全く関係ないが 仮装にしたって、俺の住んでる田舎じゃ小さな子供くらいしかしていないから、渋谷の騒ぎは一体何なのか意味不明だ いい歳して、あいつら何をしてるんだ、と毎年…

ZOZO前澤社長とレーモン・ルーセル

最近ZOZOTOWNの前澤友作代表取締役社長が、何かと話題を振り撒いている 俺はZOZOで買い物なんかしたことがないばかりか、この間まではゾゾもメルカリもモンストも区別がつかなかった男であるが、前澤社長のここ最近の話題をネットやテレビで見て、ゆくりなく…

書店のブックカバーに想う

新品の本を買う時、店員さんに 「ブックカバーはお付けになりますか」 と訊ねられると、 「袋でいいです」 と答える それが書店側にとって良いのか悪いのかは分からないが ブックカバーが掛けられてしまうと、後で何の本だったのかが分かりにくくなるからだ …

涙の理由は平成最後の夏とは無関係で恐縮です

大岡昇平『証言その時々』を買ったのは今年の1月で読んだのが6月頃 タイトル通り、その時々に新聞や雑誌に発表した雑文集 1937年4月の『文學界』に載ったものからスタートして1986年8月『読売新聞』掲載分まで、ついでに「あとがき」の1987年6月まで強引にカ…

明智光秀の子ども向け伝記がある

例によってブックオフを冷やかしていたら、講談社の子ども向け伝記シリーズの中に明智光秀の巻(浜野卓也著)を発見、驚いた 明智光秀って織田信長を裏切った男として有名な訳だから、偉人伝のシリーズに取り上げられるのには少し違和感がある、と思ったのだ…

遺伝偏重の考え方に対して

知的能力も含めて多くの能力が遺伝する、つまり遺伝でほとんどが決まるから努力はあまり意味が無い、というような事を書いた本が今話題となっているという その本の事は知っていたが手に取った事が無かったから、ざっと立読みしてきた でも所詮立読みの斜め…

かわぐつとじどうしゃ ドレミファブックの思い出

世界文化社から出ていた『ドレミファブック』という、レコード付き絵本をご存知だろうか 調べたところによると昭和44年出版のようだ(当時俺は四歳だったということになる) 全21巻、レコードA面に童謡、B面に童話を収録 俺はこの『ドレミファブック』によ…

大岡昇平と堀辰雄

中央公論社「世界の文学」第9巻、スタンダール『パルムの僧院』の月報で、深田久弥が「『パルムの僧院』の一場面」と題して、訳者である大岡昇平に絡めた一文を寄せている それによると深田のフランス語の先生は二人いるという 一人は堀辰雄、もう一人は大岡…

人には人のノスタルジー

最近は仕事の絡みもあって月に3回くらいは実家に帰る そして夜の8時半頃に実家を出て、車で1時間程かけて現在の住まいに戻るのだが、その際いつも少し遠回りになる出身小学校の近くを通って帰る そこはひっそりとして、時間が時間だからほとんど真っ暗な…

無気力な精神状態時の個人的な対処法あれこれ

どうも七月に入った辺りから、何事に対してもやる気がおきないというか、全体的にモチベーションが上がらない 夏バテとも違う 十代の頃から、自分でもどうしたらいいのか分からないくらいの無気力に襲われることがよくあり、鬱病ではなかろうかと本屋へ調べ…

ナイアガラへの旅

最近は大瀧詠一を繰り返し聴いていた とは言っても『Best Always』というベスト盤なので、大瀧塾の門前でウロウロしている状態に過ぎないが ミリオンを記録した大ヒットアルバム『ア・ロング・ヴァケーション』の曲は何となく大体知っていたけどそれきりだっ…

バブルだけではない1980年代の貴重な証言

香山リカ2008年刊行の『ポケットは80年代がいっぱい』をようやく入手した 現在絶版だからレア本だって訳じゃないだろうけども、なかなか安く出ていなかった ご存知、香山リカは精神科医で、沢山の著作があり、またテレビのコメンテイターとしても活躍してい…

反時代的妄言(謙虚に)

東京都独自の受動喫煙防止条例案が可決・成立した 国の規制よりも厳しい内容だそうだが、タバコを吸わず、東京在住でもない俺にしてみれば、さしあたりどうでもいい事だ タバコを嫌う人は、煙がぽわ〜んと臭ってくるのも嫌だろうから、どんなに規制を厳しく…

坂本龍一と Miles Davis "Quiet Nights"

マイルス・デイヴィスがギル・エヴァンスと共作した Quiet Nights (1962) が500円だったので購入した 有名なジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスなんて人がいるので紛らわしいが、ギルの方も同じくピアニストで、また兼アレンジャーである(実はなんと、ビ…

太宰治の事 桜桃忌に便乗して

6月13日は太宰治の命日で、作品名にちなむ桜桃忌は遺体発見日であり誕生日でもある19日だとの事だそうだ 知らなかった 太宰治の人気は、恐らく今後も変わらず続くだろう まるで我が事が書かれているかのように読まれる作家は今後もなかなか現れまい それにし…

買ったはいいが読む気はあるのか=分不相応な本の数々

単に安いという理由で、読む可能性のとても低い本を買ってしまう この本たぶん読まないだろうな、と思いながらレジで金を払う 値段は大抵100円とか200円とかだから、まあ買っちゃえとなる訳だが、家に帰ってから、果たしてこの本は俺に必要なものだったのだ…

タイトル考 手に取って欲しいならタイトルは死ぬ気で考えなさい

本や音楽(ロック)のタイトル付けは、センスがモノを言う 仮に中身がとても良くても、タイトルがまずいと読者やリスナーに届かないし、ヘタしたら手にも取ってもらえない 音楽なんかはそれでも、そんなにハンディキャップとはならない気もするが、本となる…

5.21騒動 1983年のEP-4

ふと気付いたら5月21日が過ぎていた、なんて事だ 漫然と日々を過ごしてると、とんだ失策を犯してしまう というのは、5月21日のブログにはEP-4の事を書こうと思っていたからだ ああ、悔やんでも悔やみきれない さて、そもそもEP-4ってナニ?って話だが EP-4と…

本当にそれは教養なのか

幸か不幸か、教養の有無を問われる環境で暮らしていないので、気楽なものであるはずだが、テレビを見てもネット記事を読んでも、教養だなんだと五月蝿く感じる今日この頃 教養を強要するな、と… さて、たまたまネットで見かけた「ビジネス・エリート」向けだ…

ノスタルジアとフェティシズム

背表紙を見てちょっと面白そうだと思って、前田亮一著『今を生き抜くための70年代オカルト』を買ってざっと読んだところだ 著者同様、俺も小学生の頃は、UFO、雪男、ユリ・ゲラー、ツチノコ、ネッシー、ノストラダムスなどに関心を持ち、日テレの『木曜スペ…