ぱらの通信

思い付きと思い込みの重い雑感集

書店のブックカバーに想う

新品の本を買う時、店員さんに 「ブックカバーはお付けになりますか」 と訊ねられると、 「袋でいいです」 と答える それが書店側にとって良いのか悪いのかは分からないが ブックカバーが掛けられてしまうと、後で何の本だったのかが分かりにくくなるからだ …

涙の理由は平成最後の夏とは無関係で恐縮です

大岡昇平『証言その時々』を買ったのは今年の1月で読んだのが6月頃 タイトル通り、その時々に新聞や雑誌に発表した雑文集 1937年4月の『文學界』に載ったものからスタートして1986年8月『読売新聞』掲載分まで、ついでに「あとがき」の1987年6月まで強引にカ…

明智光秀の子ども向け伝記がある

例によってブックオフを冷やかしていたら、講談社の子ども向け伝記シリーズの中に明智光秀の巻(浜野卓也著)を発見、驚いた 明智光秀って織田信長を裏切った男として有名な訳だから、偉人伝のシリーズに取り上げられるのには少し違和感がある、と思ったのだ…

遺伝偏重の考え方に対して

知的能力も含めて多くの能力が遺伝する、つまり遺伝でほとんどが決まるから努力はあまり意味が無い、というような事を書いた本が今話題となっているという その本の事は知っていたが手に取った事が無かったから、ざっと立読みしてきた でも所詮立読みの斜め…

かわぐつとじどうしゃ ドレミファブックの思い出

世界文化社から出ていた『ドレミファブック』という、レコード付き絵本をご存知だろうか 調べたところによると昭和44年出版のようだ(当時俺は四歳だったということになる) 全21巻、レコードA面に童謡、B面に童話を収録 俺はこの『ドレミファブック』によ…

大岡昇平と堀辰雄

中央公論社「世界の文学」第9巻、スタンダール『パルムの僧院』の月報で、深田久弥が「『パルムの僧院』の一場面」と題して、訳者である大岡昇平に絡めた一文を寄せている それによると深田のフランス語の先生は二人いるという 一人は堀辰雄、もう一人は大岡…

人には人のノスタルジア

最近は仕事の絡みもあって月に3回くらいは実家に帰る そして夜の8時半頃に実家を出て、車で1時間程かけて現在の住まいに戻るのだが、その際いつも少し遠回りになる出身小学校の近くを通って帰る そこはひっそりとして、時間が時間だからほとんど真っ暗な…

無気力な精神状態時の個人的な対処法あれこれ

どうも七月に入った辺りから、何事に対してもやる気がおきないというか、全体的にモチベーションが上がらない 夏バテとも違う 十代の頃から、自分でもどうしたらいいのか分からないくらいの無気力に襲われることがよくあり、鬱病ではなかろうかと本屋へ調べ…

ナイアガラへの旅

最近は大瀧詠一を繰り返し聴いていた とは言っても『Best Always』というベスト盤なので、大瀧塾の門前でウロウロしている状態に過ぎないが ミリオンを記録した大ヒットアルバム『ア・ロング・ヴァケーション』の曲は何となく大体知っていたけどそれきりだっ…

バブルだけではない1980年代の貴重な証言

香山リカ2008年刊行の『ポケットは80年代がいっぱい』をようやく入手した 現在絶版だからレア本だって訳じゃないだろうけども、なかなか安く出ていなかった ご存知、香山リカは精神科医で、沢山の著作があり、またテレビのコメンテイターとしても活躍してい…

反時代的妄言(謙虚に)

東京都独自の受動喫煙防止条例案が可決・成立した 国の規制よりも厳しい内容だそうだが、タバコを吸わず、東京在住でもない俺にしてみれば、さしあたりどうでもいい事だ タバコを嫌う人は、煙がぽわ〜んと臭ってくるのも嫌だろうから、どんなに規制を厳しく…

坂本龍一と Miles Davis "Quiet Nights"

マイルス・デイヴィスがギル・エヴァンスと共作した Quiet Nights (1962) が500円だったので購入した 有名なジャズ・ピアニスト、ビル・エヴァンスなんて人がいるので紛らわしいが、ギルの方も同じくピアニストで、また兼アレンジャーである(実はなんと、ビ…

太宰治の事 桜桃忌に便乗して

6月13日は太宰治の命日で、作品名にちなむ桜桃忌は遺体発見日であり誕生日でもある19日だとの事だそうだ 知らなかった 太宰治の人気は、恐らく今後も変わらず続くだろう まるで我が事が書かれているかのように読まれる作家は今後もなかなか現れまい それにし…

買ったはいいが読む気はあるのか=分不相応な本の数々

単に安いという理由で、読む可能性のとても低い本を買ってしまう この本たぶん読まないだろうな、と思いながらレジで金を払う 値段は大抵100円とか200円とかだから、まあ買っちゃえとなる訳だが、家に帰ってから、果たしてこの本は俺に必要なものだったのだ…

タイトル考 手に取って欲しいならタイトルは死ぬ気で考えなさい

本や音楽(ロック)のタイトル付けは、センスがモノを言う 仮に中身がとても良くても、タイトルがまずいと読者やリスナーに届かないし、ヘタしたら手にも取ってもらえない 音楽なんかはそれでも、そんなにハンディキャップとはならない気もするが、本となる…

5.21騒動 1983年のEP-4

ふと気付いたら5月21日が過ぎていた、なんて事だ 漫然と日々を過ごしてると、とんだ失策を犯してしまう というのは、5月21日のブログにはEP-4の事を書こうと思っていたからだ ああ、悔やんでも悔やみきれない さて、そもそもEP-4ってナニ?って話だが EP-4と…

本当にそれは教養なのか そして佐藤優は凄いという事

幸か不幸か、教養の有無を問われる環境で暮らしていないので、気楽なものであるはずだが、テレビを見てもネット記事を読んでも、教養だなんだと五月蝿く感じる今日この頃 教養を強要するな、と… さて、たまたまネットで見かけた「ビジネス・エリート」向けだ…

ノスタルジアとフェティシズム

背表紙を見てちょっと面白そうだと思って、前田亮一著『今を生き抜くための70年代オカルト』を買ってざっと読んだところだ 著者同様、俺も小学生の頃は、UFO、雪男、ユリ・ゲラー、ツチノコ、ネッシー、ノストラダムスなどに関心を持ち、日テレの『木曜スペ…

カメレオンズやフェルトのことなど あるいは近所住まいの見知らぬ同志

相変わらず休みの日はブックオフに行って本・CDチェック(パトロール)をしているが、108円の本なんかで少しでも引っかかるものがあるとついつい買ってしまう そんな安い本が大量に家にはあり、一体読むのはいつになるんだと自分でも呆れているが、職を失…

大村憲司の『春がいっぱい』CD版を遅ればせながら遂に入手しましたの巻

大村憲司のギターが好きだ もちろん好きなギタリストは他にも沢山いるが、技術・音色・音楽性などなど総合的に考えると大村憲司がナンバーワンである YMOのサポート・メンバーだった頃は俺が中学生の時で、リアルタイムで夢中になっていたから尚更なのだが、…

中西俊夫の命日に因んで

2月25日は、昨年食道癌で亡くなった元プラスチックスのヴォーカル・ギターにしてイラストレーターでもある中西俊夫(Toshi)の命日だった 享年61歳 闘病生活がSNSで公表され、治療のためのチャリティ・シングルの発売などもあったようだが、それを知った…

内田樹とアルベール・カミュ

カミュの代表作『異邦人』はここ何十年間ずっとベストセラー状態だそうで、今更誰かに持ち上げられなくとも、当分はこれからも新しい読者を増やして行くだろう この『異邦人』を読んで、世界の不条理を想い、また自分を異邦人と感じて、それがどの程度リアル…

新春ブックオフでの買い物 あるいはピエール・バルー『サ・ヴァ、サ・ヴィアン』ボーナス・トラックの謎

休みの日は必ずブックオフへ行く 日によっては2、3店舗ハシゴするのだが、我が家ではそれを「パトロール」と呼んで呆れている 店員にも「また来た」と思われているかもしれない ああ恥ずかしい それはそうと新年早々ちょこちょこ買ってしまった 買った内容…

2017年の収穫『ペット・サウンズ』

2017年ももう終わる そこで今回は、個人的あくまで個人的な今年の収穫と思うものを書いておこう 今年の収穫なんて言っても、そう毎年あれこれある訳じゃないし、今年も例外ではないのだが、でも一つだけ、これっていうのがある ビーチ・ボーイズ1966年作の『…

江川卓についての覚え書き

とにかく江川が好きだった 俺の友達も、それぞれ贔屓のチームは違っても江川の事はみんな好きだった プロ入団時の所謂「空白の1日」事件で、江川は日本中の怒りを買った格好となり、アンチ巨人以上にアンチ江川がいるかのような新聞やテレビの報道ではあった…

青白いブレードランナーの炎

先日、『ブレードランナー2049』を観てきた映画をDVDではなく映画館で観るのは何年振りだろうか、確実に十年以上は経っている何を今更の話だろうが、俺は今の映画館の音響に驚いてしまった音がリアルでデカいんだね下品だとか、批判もありそうだけど、それも…

死ぬまでに読んでおくべき本の事

世間にはどれ位の「読書家」がいるのだろうか(この場合、文筆家とか学者など、本を読むのが仕事の人は除外する) そもそも「読書家」というのはどの位読む人の事をいうのか、俺は知らない年間に300冊以上読む人、1冊読むかどうかの人、様々いる中で俺は「読…

矢沢永吉『成りあがり』あるいはパラレルワールド

俺がロックやポップスを中心に音楽を積極的にというか意識的に聴き始めたのは中2の冬休みからで、キッカケは友達の家で流れていたYMOだった勿論それまでも歌謡曲や所謂「ニューミュージック」なども聴いていたし、好きな歌も沢山あったちょっと列挙してみる…

二葉亭四迷『浮雲』の現代性

タイトルの大袈裟ぶりはさておくとして、先日俺の「死ぬまでに読んでおくべき本」リストに入っていた二葉亭四迷の『浮雲』を読んだ 明治20年(1887年)の発表なので、言葉使いがとにかく古くて、現代とはかなりかけ離れていると感じるところが多く、読むのに…

オーウェル『1984年』読了記念

たかが小説ひとつ読み終えただけで「記念」と銘打つのには訳があるジョージ・オーウェルの『1984年』は俺の「死ぬまでに読んでおくべき本」リストの中にずっとあった作品だったからだ高校生の頃に、この小説に触発されてデヴィッド・ボウイが『ダイヤモンド…